タロット「愚者」の数字「0」のメッセージ
タロットデッキは78枚の絵が描かれたカードです。
この78枚の一番始めに位置するのが「愚者(The Fool)」です。
「愚者」と非常に特色のあるカードですね。
まず変わっているのが、「0」番という数字です。
タロットデッキ中1枚しかありません。
そこで質問です。
「0」という数字から何を思い浮かべますか?
どんなことでも構いませんよ。
私が思い浮かべた点を挙げてみましょうか?
・何も無い
・無限
・スタートを始める準備段階
・数直線上ではプラスとマイナスの中間
・プトレマイオス
・最小の非不整数
・コンピューター言語
・卵
・第二次世界大戦の日本軍の零戦闘機
・数「0」 は正でも負でもなく、素数でも合成数でも単数でもない。しかし、0は偶数である。
・楕円
・映画でよく使われる「・・・ゼロ」(例えば、ウルヴァリンゼロ)
・絶対温度(0K=ゼロケルビン)・・・因みに273.15°のことです。
・トリックスター
・おいっちょかぶの「ブタ」
まだまだありますが、長くなるので辞めておきます。
「愚者」はマルセイユタロットでは、唯一、大アルカナであるにもかかわらず、「ジョーカー」になりましたね。
「ジョーカー」はどこにでも行けます。
「愚者」の性質の一端です。
「愚者」は78枚中のどこにでも行けるのです。なぜなら「0」だからです。
この点から「愚者の旅(The Fool's Janey)の概念が生まれました。
ここで云いたい事は、「愚者」は極めて特殊なカードということです。
本ブログでは「愚者」の意味など記載しません。
タロットには意味は存在しないからです。
また「愚者」の細かな描写も省略します。
個人的にはタロットの中でも私は「愚者」が好きです。
「愚者」は端的に言えば、人間自身を示唆しています。
この世の過去から現代に至る全ての人間は「愚者」だからです。
「愚者」とは「愚か者」ということですよね。
「愚か者」と「馬鹿」は違いますよ。
「愚か者」と「白雉」も違います。
「愚か者」と勉強ができない・・・のも全く関係ありません。
ソクラテスは謂いました。
「自分が何も知らないということを知っている者が、本物の知者である」と。
ボードレールは謂いました。
「本物の知者は、馬鹿のように見えて、他人には一切馬鹿のように自然に振る舞える者である。」と。
「何も知らない」とは、単なる「知識の有無」ではありません。
東大生は「頭が良い」と言われますね。
でも「愚者」です。
知能指数171のアインシュタインも「愚者」です。
その理由を語りましょうか? どんな地位にいる人間も、どんな裕福な人間も、どんな博学者も、どんな天才と呼ばれる人も、
お母さんから産まれた瞬間のときは、知能はほとんどありません。
それは全ての人間に共通です。
「愚か者」とは「頭の回転が悪い」「知識が乏しい」「成績が悪い」といったレベルの低いことでは無いんです。
「人生を自分らしく、自分の役割を理解し、その役割を一歩づつでも良いから行動する」者は「愚か者」ではありません。
「愚か」とは「人生の意味」を知らないことです。
つまり産まれたばかりの赤ん坊です。
ここまでの解説で、「愚者」というカードの本質が分かったのではないでしょうか?