タロットの「意味」はどこから出てきたのか?
タロットには元々は「意味」は存在しない。
では?
一体、誰が?
どのような経緯で?
答えは「ウェイト・スミス版タロット」にあります。
「ウェイト・スミス版タロット」は1910年に英国の「黄金の夜明け団」という秘密結社の幹部であるアーサー・エドワード・ウェイトが、パメラ・コールマン・スミスにマルセイユタロットを元に、カバラの思想体系を盛り込んで描かせたものです。
黄金の夜明け団は秘密結社ですから、カバラの研究と実践を活動としてきた組織です。その幹部のアーサー・エドワード・ウェイトは当然ですが、カバラを熟知しています。
ただ、「カバラ」はそんなに簡単なものではありません。現代でもカバリスト達がいます。カバラ研究家ですね。
カバラを理解するには、相当の時間が掛かります。
一番早いのは、セフィロトの樹を学ぶ事でしょう。
「タロットとカバラの関係」は別の機会に解説するとして・・・
アーサー・エドワード・ウェイトは、明らかにウェイト・スミス版タロットにカバラの思想を盛り込んでいます。ウェイト・スミス版タロットの絵柄は単に思いつきで描かれたわけではありません。全てのカードの全ての部分には、必ず描かれた意図があります。
そんな訳で。
ウェイト・スミス版タロットが発表されたことは、センセーショナルな事件だったわけです。
当時のカバリスト達も夢中になりました。
アイレスター・クローリーら著名なカバリスト達です。アルフォンス・ルイ・コンスタンも有名ですね。別名はエリファス・レヴィーです。
ただし、レヴィーの場合はウェイト・スミス版タロットが発表される前に『高等魔術の教義と祭儀』でタロットとカバラの関係を著作しています。
まあ、この世界は狭いので、黄金の夜明け団もレヴィーの考えも取り入れたのでしょうね。
要は・・・
現代、タロットの意味とされている言葉は、彼らが作ってきたモノだということです。
カバリストが作っていったタロットの意味なるものを、今でも必死で覚えているわけです。その意味なるモノがどのようにしてOUTPUTされた言葉なのか?という経緯も知らないで、覚えろと言われたから暗記しているわけですね。
答えはタロットの絵にあります。
言い変えれば、「タロットの絵」にしかリーディングの根拠は無いということです。
次回は、セフィロトの樹とタロットの関係を解説しましょう。
ただし、セフィロトの樹を説明するだけでも膨大な量ですから、複数回に分けましょう。